淡水魚カダヤシ、ヒト並に数を認識 - ナショナルジオグラフィック
for National Geographic News
January 11, 2011
Matt Kaplan
小さな魚といえども数える能力はあなどれない。カダヤシという小型淡水魚と大学生、算数が得意なのはどちらだろうか。ある研究で行った数の識別実験では、ほとんど同じ結果が示されたという。
メダカそっくりのカダヤシは蚊の幼虫(ボウフラ)を好んで捕食する淡水魚で、通常は群れで生活する。1匹だけになると仲間を求めて懸命に泳ぎ回る、極めて社交的な魚だ。過去の研究では、カダヤシに数を“数える”能力、すなわち数を識別する能力が備わっていることが明らかになっていた。
今回の研究結果によると、4や8のような小さな数だけでなく、100と200のような大きな数も区別できるという。
「魚の実験ごときに科学的な成果は期待できないだろうと決め込む人は多い」と実験を指揮したイタリア、パドヴァ大学のクリスティアン・アグリロ氏は話す。「しかし、実際には極めて興味深い」。
とはいえ、カダヤシが識別能力を発揮するには条件があるという。2つの数字に特定の関係が必要だ。それは「比率」で、人間を対象とした実験でも同じだった。
実験では、まず一部のカダヤシを群れから隔離して訓練。大きな群れに合流できる出入り口と特定数の幾何学図形の関連付けを行った。次にそのカダヤシたちを水槽に入れた。内部には見た目が同じ2つの出入り口があり、異なる数の図形でマーキングしてある。例えば、関連付けした出入り口Aの図形は4個で、Bは8個という具合だ。
実験の開始直後は、カダヤシたちに戸惑いが見られ無作為に選ぶ傾向が目立った。しかし、時間の経過とともに正しい出入り口を選ぶ確率が高くなったという。
研究ではこの実験を繰り返し、しだいに使用する数を大きくした。「何百という大きな数へ切り替えると、魚たちは混乱したようで、しばらくの間は水槽の中をただ泳いでいた。しかし、新しい数を前にどちらを選べばよいかウロウロしている様子が何とも微笑ましかった」とアグリロ氏は実験を振り返る。「それでも、小さな数の場合と同じく正しい出入り口を選べるようになるまでに、長い時間は要しなかった」。
アグリロ氏らは、図形の数をどんどん変えていった。2つの出入り口の図形数が接近すると、カダヤシが正しい選択をする確率が低下することがわかったという。例えば、図形同士の比が1:2(8と16)や2:3(8と12)だと、カダヤシは半分より高い確率で正しい出入り口を選んでいる。しかし、3:4(9と12)になると、違いを識別している様子は確認できなかった。
カダヤシの数える能力を人間と比較するため、アグリロ氏らは、25人の学部生を対象に同じような実験を試みた。学部生たちは、2カ所に用意された多数の図形の数について、じっくり数えずに2秒以内で大小を判別するよう求められた。
その結果、人間は全般的に魚より高い正確性を見せたものの、比率が2:3から3:4に変わると失敗しやすくなるというカダヤシと共通の傾向が見られた。
アグリロ氏らによれば今回の研究は、人間や魚など脊椎動物が数の処理能力を共通して保持していることを示しているという。さらに元をたどれば、魚とヒトが遠い祖先でつながっている裏付けにもなるそうだ。
この研究成果は、オンラインジャーナル「PLoS ONE」誌に12月22日付けで掲載されている。
Photograph by Joel Sartore, National Geographic
- カダヤシの知能がヒト並というより、ヒトの脳みそがメダカ並なのかも。
アルビノのワライカワセミを保護、オーストラリア - APBB News
【12月7日 AFP】オーストラリア・クイーンズランド(Queensland)州の高地レーベンスホー(Ravenshoe)で、極めて珍しいアルビノ(先天性の色素欠乏)のワライカワセミ2羽が保護された。生後6週間のワライカワセミは、木の根元で水浸しになり身動きがとれなくなっていたところを、ウシを放牧していた男性に発見された。暴風雨で巣から押し流されてしまったとみられる。2羽は現在、イーグルス・ネスト野生動物病院(Eagles Nest Wildlife Hospital)に保護されている。(c)AFP
写真:オーストラリア・クイーンズランド(Queensland)州レーベンスホー(Ravenshoe)で保護されたアルビノのワライカワセミ(2010年 12月6日撮影)。(c)AFP/Eagles Nest Wildlife Hospital/Leslie BROWN
- オーストラリアでワライカワセミといえば、シドニーオリンピックのシンボルになるぐらい親しまれているわけで、そのアルビノとなれば、日本でいうなら「白いカラス」ぐらいのインパクトがありそうだ。それも二羽とか。きっと神の使いだね。
新種のトカゲ、ベトナムの料理店で発見 - ナショナルジオグラフィック
ベトナム料理で人気のトカゲが実は新種(学名:Leiolepis ngovantrii)だったと判明した。しかもすべての個体がメスで、オスとの交尾を必要とせず単為生殖するという。
ただしそれほど珍しい存在ではなく、トカゲ全種のうち約1%は単為生殖により繁殖できる。メスが自発的に排卵し、遺伝情報がまったく同じ子を産むという。
カリフォルニア州リバーサイドにあるラ・シエラ大学の爬虫両生類学者で調査活動にも参加したL・リー・グリスマー氏は、「ベトナムではごく普通の食材だ。南部のメコン・デルタ地帯のレストランでメニューに載っている。われわれも店内で出会った」と話す。
ベトナム科学技術アカデミーのゴー・ヴァン・トリ(Ngo Van Tri)氏はある日、バリア・ブンタウ省のレストランで売られている生きたトカゲを目にした。みんな奇妙なほどよく似ているので気になり、知人だったグリスマー氏と、その息子でアメリカ、カンザス大学の爬虫両生類学博士課程に在籍するジェシー・グリスマー氏に画像を送ってみたという。
グリスマー父子は、メスのみの単性種ではないかと考えた。一見して雌雄で体色がまったく異なるバタフライアガマ属のようだったが、画像ではオスがどこにもいなかったからだ。
そこで親子はホー・チ・ミン市(旧サイゴン)へ飛び、生きたトカゲを“電話予約”してレストランへ向かったが、待っていたのは失望だったという。「オートバイで8時間もかかったのに、酒に酔った店主が予約を忘れてすべて調理してしまい、1匹も残っていなかった」とリー・グリスマー氏は振り返る。同氏は他のプロジェクトでナショナル ジオグラフィック協会研究・探検委員会(CRE)から資金提供を受けたこともある。
運良く同じトカゲを提供するレストランが見つかり、地元の小学生も捕獲を手伝ってくれたため、最終的に約70匹が集まった。グリスマー親子が調査したところ、すべてがメスと判明したという。
新発見のトカゲは腕部に並んだ大きな鱗と趾下薄板(しかはくばん:足の裏にある大型の鱗板)が特徴的で、新種と判断する材料となっている。
どうやら2つの近縁種を父と母に持つハイブリッド種である可能性が高い。2つの異なる生息環境の移行帯で起こる現象であり、例えば新種トカゲが生息するビンチャウ・フックブー自然保護区(Binh Chau-Phuoc Buu Nature Reserve)は低木林と海岸砂丘の間に位置している。「このような場所では、2つの異なる環境に生息する種が出会ってハイブリッドが生まれることがある」とグリスマー氏は説明する。
母親から受け継がれる「ミトコンドリアDNA」の遺伝情報を検査した結果、母方は「Leiolepis guttata」種と判明した。父方はまだ確認できていない。
グリスマー氏によると、新発見のハイブリッド種は野生の個体数が激減しているわけではないが、絶滅する可能性があるという。
ニューヨークにあるアメリカ自然史博物館の名誉館長で爬虫両生類学者のチャールズ・コール氏は、「ハイブリッド種は絶えやすいという説もある。代を重ねても遺伝的多様性が生まれないからだ」と第三者の立場で指摘する。「種の長期的な存続には、遺伝的多様性が欠かせない」。
この研究は「Zootaxa」誌オンライン版で2010年4月22日に公開された。
Photograph courtesy Lee Grismer
- 新種だということ、メスしかいない単性生殖ですべてがクローンだということ、絶滅の可能性が高いハイブリッドであるということ、などにはお構いなく今日もベトナムの人たちは美味しく食べているんだろうな、このトカゲ。
アリジゴク、おしっこする 千葉の小4が通説覆す発見 - asahi.com
「アリジゴクは排泄(はいせつ)しない」という「通説」が覆されるかもしれない。千葉県袖ケ浦市の小学4年生、吉岡諒人(りょうと)君(9)が夏休みの自由研究で、アリジゴクの「お尻」から黄色の液体が出たことを確認した。吉岡君から質問を受けた日本昆虫協会(東京都千代田区)は「通説や本、インターネットの情報をうのみにせずに発見した、価値ある研究」として今年度の「夏休み昆虫研究大賞」に選んだ。6日に表彰式があった。
アリジゴクはウスバカゲロウ科の幼虫。一部の種はさらさらの砂地にすり鉢状のくぼみを作り、落ちてきたアリなどの体液をあごから吸う。幼虫期は肛門(こうもん)がほぼ閉じていて、成虫になる羽化時にため込んだ糞(ふん)をまとめて出す。日本昆虫協会によると、本やネット上では、羽化時まで「排泄しない」と記されたものが多いという。
吉岡君は、近所の植え込みの下でアリジゴクを見つけて採集し、7月から約1カ月、生態を観察した。当初はアリ以外も食べるかなどを実験。しかし、アップの写真を撮ろうと白い紙の上にアリジゴクを置いた時、黄色い液体を出したのに気づいた。「プクーって出た後にはじけて、黄色い染みが広がった」という。
「おしっこやうんちはしないはず」と思い、染みの写真をインターネットの質問サイトや日本昆虫協会などに投稿して質問したが、納得のいく答えは得られなかった。
「エサの体液を吸っているんだから、おしっこを出さないと破裂するはず」との疑問が消えず、10匹のアリジゴクを白い紙の上に置いて調べた。その結果、数時間後、4匹の紙に黄色い染みができ、「お尻」はぬれていて「触ったらちょっととろりとした」という。
「砂の魔術師アリジゴク」などの著書がある京都教育大学の松良俊明教授は「アリジゴクはエサの体液を吸うので糞はしないが、尿として出す可能性はある。ほとんどふさがっている肛門でも、液体なら通るのでは」と話す。「砂が尿らしき物で固まっていたのを見たことがあるが、白い紙を使って尿の染みまで確認したのは聞いたことがない」
学校に提出するため、リポートをA4判55枚にまとめたところ、協会から「協会の賞に応募しては」と声がかかり、漫画家のやくみつるさんや昆虫研究家ら審査員9人の全会一致で「夏休み昆虫研究大賞」に選ばれた。協会の木村義志理事は「尿が実際に確認されない中、『排泄しない』という記述があふれ、『糞だけでなく尿もしない』という通説が広まっていたのに、流されなかったのはえらい」と話す。(赤井陽介)
写真:(左)アリジゴクを手に取る吉岡諒人君=千葉県袖ケ浦市、赤井写す (右)吉岡君が撮影したアリジゴクの写真
- すばらしい!!吉岡くんマジでエライ!!
・・・ていうか、これまで研究者はなにしてたんですか、ということだよね。
アオウミガメの卵ピンチ!イノシシが食べる - YOMIURI ONLINE
絶滅危惧種に指定されているアオウミガメが、産卵のため上陸する頻度が日本一の西表島(沖縄県)の砂浜で、卵がリュウキュウイノシシに食べられる被害が相次ぎ、今年は卵の数が約3分の1に激減したことが、日本ウミガメ協議会付属黒島研究所(同県竹富町)などの調査でわかった。
アオウミガメは、環境省から絶滅危惧2類(絶滅の危険が増大)に指定されている。ただ、イノシシも南西諸島固有の希少種で、生態系維持にも配慮する必要があり、対応に苦慮している。
砂浜は車や船での乗り入れが制限される国立公園の特別地域に指定されている。西表島で約20年前から産卵調査を続ける同研究所は、3年前に初めて卵の食害を確認。人の影響を受けにくい場所で、センサー付きカメラで調べた結果、リュウキュウイノシシが“犯人”だと突き止めた。
今年3〜10月の産卵期には、同島南部の二つの砂浜の計92か所で約1万個の卵が確認されたが、一つの砂浜(34か所)は全滅、もう一つの砂浜(58か所)も半分近くが食害に遭っていた。
イノシシが卵を食べ始めた理由は分からず、「餌不足や大繁殖という話は聞かない。偶然食べた卵に味を占めたのだろうか」という。同研究所の若月元樹研究員は「食害は年々ひどくなる一方だが、ともに貴重な動物。卵の人為的な保護ができるかどうか、ウミガメ、イノシシの生息数などを調査して、判断する必要がある」としている。
(2010年10月24日10時02分 読売新聞)
- これまで何千年、何万年も食べなかったものを突然食べるようになるというのは奇妙な話だけど、もしかすると、調査や保護のためにウミガメの卵を掘り返している人間の行動に興味をもったイノシシが、こっそり真似をしてみたのかもしれない。そして食べてみたら思いのほか美味かったと…。違うか。
*写真はhttp://www.kiichimaja.com/よりお借りしました。
*元記事の文章構成がひどかったので、センテンス単位で前後を入れ替えて再構成してあります。文字はひとつもいじってませんし、意味も変わってません。
「タマゾン川」にグッピーなど外来魚200種超 多摩川 - asahi.com
2010年10月22日13時56分
ペット用などで飼われていた外国産の魚が、日本の河川に放され、生態系を脅かしている。アマゾンになぞらえ「タマゾン川」とも呼ばれる首都圏の多摩川は典型例だ。名古屋市の川にも北米原産の大型外来魚が生息する。世界自然遺産をめざす小笠原諸島も例外ではない。国連地球生きもの会議の作業部会は21日、外来種の取引の管理・監視体制を検討する専門家集団の設立で合意した。
「熱帯魚にも命があるのにいらなくなれば捨ててしまう」。多摩川で外来魚の監視を続ける川崎河川漁協の山崎充哲(みつあき)さん(51)はそう嘆く。
外国産のナマズ類、熱帯魚のグッピーやエンゼルフィッシュ——。多摩川でこれまでに見つかった外来魚は、200種を超す。
「下水処理水の影響で、冬でも水温が24度くらいの場所もある。グッピーは越冬して繁殖している」と山崎さん。魚に病気を広げるウイルスや細菌が外来魚と一緒に侵入していないか心配だという。
放流行為を防ごうと、山崎さんらが5年前に川崎市内に設置した「おさかなポスト」という専用水槽には、昨年までに3万匹以上、300種近くの魚が持ち込まれた。
大きくなり飼えないという理由のほか、最近は失職などでお金がなくなり手放す人も目立つという。魚は飼育を希望する「里親」に渡す。
10月中旬の夕刻。「里親」を志望する愛知県内の20歳代の男性が、車で5時間かけて山崎さんの家へやってきた。「ネットでポストを知った。魚には何も罪はない。かわいそうだから引き取ります」
全長が50センチを超す外来魚ガーパイクなど5匹を受け取った。自宅で飼うという。
生きもの会議が開かれている名古屋国際会議場(名古屋市熱田区)。そのすぐ脇を流れる堀川でも、釣り人に人気のオオクチバスや観賞用のアリゲーターガーなど5種の外来魚が確認されている。
名古屋市は今年5月、「外来生物調査隊」を発足させた。30人のボランティアでつくる。ワニガメや外来魚のアリゲーターガーなど、人に危害を与える恐れがある外来種を発見すれば市に連絡し、専門家が捕獲する。7月、堀川でアリゲーターガーを確認したが、捕獲はまだだ。
熱帯魚のグッピーは、太平洋に浮かぶ小笠原諸島の川にも侵入している。小笠原自然文化研究所の佐々木哲朗研究員(34)は「父島ではグッピーが繁殖、川を群れになって泳ぐ姿もみられる」と話す。
神奈川県立生命の星・地球博物館の瀬能宏専門研究員は「各地で続く放流を止めるため、飼育の登録制など法律による規制をすべき時期に来ているのではないか」と言う。
21日の生きもの会議作業部会で、締約国が設立に基本合意した専門家集団は、ネット取引を含め、外来種取引の監視や規制の方法について検討し、結果を次回の締約国会議に報告する。(久土地亮、山本智之)
- タマゾン川ね。昔から親しんでる身としては、水がきれいになったついでに外来種も駆逐できればなあとは思うけれども、じつは水中の生態系にいちばん影響与えているのは「コイ」なんじゃないかと俺は疑ってる。
コイはそこら中に放流されてて、もちろん多摩川にもわんさかいるんだけれども、ほとんどが養殖種のいわゆる「ヤマトゴイ」で、野生種の「野ゴイ」は滅多にいない、というか釣ったことがない。野ゴイは釣るのも難しいけどさ、たぶんほとんどいないと思う。つまり多摩川のコイは、ほとんどが漁協の人の手で放流されたものなの。
で、コイの食欲と雑食性というのはほんとにものすごくて、水草だろうが虫だろうが貝だろうがエビ、カニ、小魚だろうが、根こそぎなんでも食べちゃう。だからコイがいる池や市街地のコンクリートの水路には他の生き物がほとんどいない。そういう「閉じた場所」にコイを放したら終わりなんだよ。アメリカザリガニすらいないでしょ。コイの大好物だからね、ザリガニは。逆にコイがいなければ、小さな場所でも相当いろいろな生き物が生きられるはず。
そんな凶暴な魚を、外来種ではないからといってバンバン放流するのは、じつはピラニア放すよりタチが悪いんじゃないか、というのが俺の考え。俺は多摩川のコイ釣りが大好きだけどさ、ちょっと多すぎるもの。2004年のコイヘルペス禍でいったんコイ釣りはやめたけど、もう完全に回復してるよね。多摩川ぐらい大きな川だとわかりにくいけど、実際は他の生き物に相当影響してるだろうなと思う。
たとえが微妙だけど、コイを放流した川は、杉の植林した山みたいなイメージ。本来そこにあった雑木林の多様な動植物の生態系が一切合切失われているのに、自然を知らない・考えない人にはそれが「不自然」に思えないというね。養殖魚の放流で釣り堀化した川を見ても「ああコイがたくさんいるなんて自然が豊かだね」なんてさ。それ違いますからね。
在来種がいればいいってもんでもないんだよ、というお話です。
"毎日何百万本もの針が海に出ていく。海の中に垂らされた何百万本の針それぞれにイカや小魚などの餌がついている。一国を賄えるほどの食糧が、値段の高い魚を捕るための餌として使われている。"
— ニュース - 動物 - 海の犠牲者たち:はえなわ針(記事全文) - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト
海の犠牲者たち - 2010年海洋保護写真コンテスト

海の犠牲者たち:ウミガメ(記事全文)
- ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイトより(以下同じ)
October 22, 2010
ブラジル沖に捨てられた漁網に絡まって溺死したウミガメを網から外すダイバー。この網で17匹のウミガメが命を失った。マリン・フォトバンクが主催する「2010年海洋保護写真コンテスト(2010 Ocean in Focus Conservation Photo Contest)」でこの写真が最優秀賞に選ばれた。
マリン・フォトバンクは、マスメディアや非営利活動に高品質の海洋写真を無償で提供することによって海洋保護を促進することを目的としている。今回の写真コンテストでは、“われわれの海が直面する数々の脅威”を訴えかける力強いメッセージ性を持つ写真を募集した(ナショナル ジオグラフィック協会は入賞者に贈られる賞品を提供している)。
ナショナル ジオグラフィック協会付き探検家で海洋生態学者のシルビア・アール氏は、「ウミガメは非常に危機的な状態にあり、その数は他の海洋生物に比べて大幅に減少している。おそらく、5%しか生き残っていない種もあるだろう」と懸念する。
「幸いなことに、海は広大で回復力もある。だが残念ながら、その回復力にも限界がある。大型の魚のうち90%が姿を消し、プランクトンの40%が消滅した。サンゴ礁の半分は死滅したか、急速に生息地を失っており、酸素が欠乏し海洋生物が生息できない“デッドゾーン”が何百カ所も出現した。非常に危機的で、嘆かわしいことだ」。
「それでも、希望につながる根拠はまだたくさんある。海は死んではいないのだから。多くの海洋生物の数が激減しているとはいえ、まだ10%残っている。回復の可能性があるうちに、急いで手を打たなければならない」。
Photograph by Guy Marcovaldi, Projeto Tamar Brazil, Marine Photobank

海の犠牲者たち:ジンベエザメ(記事全文)
高級食材として売るため密漁者にヒレを切り取られ、フィリピンの海岸に打ち捨てられたジンベエザメの死を嘆く女性。マリン・フォトバンク主催の「2010年海洋保護写真コンテスト(2010 Ocean in Focus Conservation Photo Contest)」で、国連の「国際生物多様性年」を記念して設けられた「最も心に響くフォト(Most compelling image)」賞に選ばれた。
ナショナル ジオグラフィック協会付き探検家のシルビア・アール氏によると、絶滅が危惧されるジンベエザメにとっての脅威は、密漁だけでなくプラスチックも大きいという。体は巨大だが性格はおとなしいジンベエザメは、「大量の海水とともに飲み込んだプランクトンを濾過して食べるのだが、同時に飲み込んだプラスチックで内臓を詰まらせたり、捨てられた漁具や設置された網に絡まったりすることもある」。
20世紀半ばまで海ではほとんど見かけなかったプラスチックが、今では海洋システムを崩壊させつつあるとアール氏は指摘する。実際にプラスチックは、海洋と、プラスチックを飲み込んだ生物との間の化学的関係性を根こそぎ変えようとしているのだ。
Photograph by Peri Paleracio, Marine Photobank

海の犠牲者たち:アホウドリ(記事全文)
ブラジル沖で延縄(はえなわ)の釣り針を飲み込んで溺死したアホウドリ。マリン・フォトバンク主催の「2010年度海洋保護写真コンテスト(2010 Ocean in Focus Conservation Photo Contest)」で次点に選ばれた。
このアホウドリのように混獲で命を落とす海鳥は毎年数十万羽に上ると考えられている。ナショナル ジオグラフィック協会付き探検家のシルビア・アール氏は、「これは人が口にするマグロやメカジキなど延縄漁で獲れる海産物の代償の一部だ」と話す。
同氏はアホウドリの寿命が人間とほぼ同じ長さであることに触れ、「アホウドリの繁殖は容易ではない。繁殖できるようになるまで実質的に10~15年かかるうえ、出産は年に一度で毎年成功するわけではない。それでも海洋生態系には欠かせない存在だ。地球環境の機能の一端を担っているのだから」と述べている。
Photograph by Guy Marcovaldi, Projeto Tamar Brazil, Marine Photobank

海の犠牲者たち:はえなわ針(記事全文)
シイラを捕るための延縄(はえなわ)の釣り針を準備するエクアドルの漁師。海洋保護をテーマとした写真をオンラインで共有するマリン・フォトバンクの「2010年度海洋保護写真コンテスト(2010 Ocean in Focus Conservation Photo Contest)」で次点に選ばれた。サメ、ウミガメ、海鳥など、延縄漁による混獲で犠牲となる海洋生物は数知れない。
「毎日何百万本もの針が海に出ていく。海の中に垂らされた何百万本の針それぞれにイカや小魚などの餌がついている。一国を賄えるほどの食糧が、値段の高い魚を捕るための餌として使われている」と海洋生態学者シルビア・アール氏は語る。
Photograph by Maximilian Hirschfeld, Marine Photobank

海の犠牲者たち:油田とサメ(記事全文)
メキシコ湾で石油採掘基地の近くを泳ぐサメ。史上最悪といわれる石油流出事故から3カ月後の7月に撮影され、マリン・フォトバンク主催の「2010年度海洋保護写真コンテスト(2010 Ocean in Focus Conservation Photo Contest)」で次点を獲得した。
「石油流出は目に見える被害を数多く引き起こすだろう」と海洋生態学者シルビア・アール氏は話す。「しかし本当に問題なのは、化石燃料が大気中の二酸化炭素の増加の一因となり、結果として地球温暖化や海水面の上昇を引き起こすことだ。そして現在、これらすべてよりも心配なのは海洋の酸性化だ。地球上のあらゆる化学的相互作用に影響を与えるからだ」。
それでも同氏は、考えさせられるテーマの写真コンテストであるにもかかわらず、「入選したこれらの写真は希望を表現したものとして見るべきだと思う」と話す。「確かに、一見すると希望があるようには思えないだろう。しかし人々がこれらの写真を見て、海は危機に瀕しているが時間はまだあるということを理解すれば、希望は持てる。それこそが重要なことで、つまり(環境悪化が進むのを)あきらめる必要はないということだ」。
Photograph by Jake Levenson, Marine Photobankk
- 「海の犠牲者たち」と書くと海難事故の被害者みたいだけど、言うまでもなくこれらは違う。「人類の犠牲になった海の生き物たち」だ。
Fish Hotel by Teddy Luong | Design Milk
This stylish fish bowl was designed by Teddy Luong for Umbra. You can stack them for a more hotel-like appearance.
via design-milk.com
- だからこういうのはダメだとなんd(以下略
それにこれじゃベタを飼っても肝心のディスプレイ(ベタをベタたらしめるオスのフレアリング行動の方ね)が楽しめないじゃん。生き物を単なる「インテリアディスプレイ」にするのはやめろ馬鹿デザイナー。
spacesinkhole:

The Archiquarium - a true home for fish. Unveiled at the Hem 2010 design fair in Stockholm. Of course, it looks like something IKEA would sell.
via ohgizmo.
- 見た目以上になにか機構上の画期的な工夫があるのかと思ってメーカーのサイトまで見に行ったけど、どうやら何もないらしい。であれば、これは売れないな。いや売れて欲しくない。
生き物を育て、鑑賞する器は、デザインが目新しければ良いってもんじゃない。アクアリストならば、水槽の中で起きるありとあらゆることを見逃さずに観察すべきだし、そうじゃないとメンテナンスもできない。すべてを隅々まで見てやることが、囚われの生き物に対する飼育者のせめてもの愛情なんだ。ふち無し水槽は、そういう意味でもひとつの到達点なんだよ。そのことがわかってないデザインとして、これは却下します。
2010年度エンバイロンメンタル・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー・コンテスト:総合最優秀賞「エイの飛行(Flight of the Rays)」- 環境写真2010 - ナショナルジオグラフィック
メキシコ、バハカリフォルニア・スル州沖のコルテス海で2009年に撮影されたイトマキエイの仲間ムンクス・デビルレイの群れ。この航空写真が、2010年度エンバイロンメンタル・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーの「水中の世界」部門で最優秀賞となり、総合最優秀賞も獲得した。
撮影したドイツ人写真家フローリアン・シュルツ氏によれば、移動するクジラの群れを上空から探している際に偶然エイの大群に出くわし、その巨大さを初めて知ったという。
この写真の構図も、おそらく群れの大きさと同じくらい珍しいものだ。「エイが水面から飛び上がる姿をとらえることができた。同時に、エイが何層にも重なり合う様子も水中撮影と同じくらい鮮明にわかる」。
ムンクス・デビルレイを国際自然保護連合(IUCN)が準絶滅危惧種に指定している理由の一つに、見えにくいカーテン状の網で魚群を一網打尽にする刺し網漁がある。この写真のようなエイの群れを見れば、「たった1枚の網で無数のエイを捕えられることが容易に想像できる」とシュルツ氏は話す。
この受賞作を見た海洋生態学者ジュゼッペ・ノタルバルトロ・ディ・シアーラ氏は、1枚の写真の中にこれほど多くのムンクス・デビルレイが力強く生きていることを目にした喜びを書きつづった電子メールをシュルツ氏に送ったが、その喜びの大きさもこのエイの置かれた現状を物語っている。ディ・シアーラ氏は1987年にこのエイの発見に関わった1人だ。
ロンドンに本拠地を置く環境機関、英国公認水と環境管理協会(The Chartered Institution of Water and Environmental Management、CIWEM)が主催するエンバイロンメンタル・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー・コンテストは、「環境問題と社会問題への意識を高める」写真を撮影した写真家をプロアマ問わず表彰する。今年度は世界97カ国から4500点を超える作品の応募があった。
Photograph by Florian Schulz, WICEM/Barcroft/Fame Pictures
- すごいのひとこと。海の生命の豊かさと尊さを伝えるすばらしい光景だ。
*高解像度(High-res)の画像は主催者であるCIWEMのサイトの同賞発表にリンクされている Telegraph.co.ukの記事 のソースから採った。
原油流出でジンベエザメが危機に? - ナショナルジオグラフィック
メキシコ湾の原油流出事故でジンベエザメの餌場である回遊領域に多大な被害が出ており、世界最大の魚類である同種が減少している恐れがあるという。先の流出事故では、これまでに約78万キロリットルの原油がミシシッピ・デルタ南部に流れ込んだと推定されている。一方、メキシコ湾北部の3分の1を占めるこの海域で、近年ジンベエザメの目撃情報が相次いでいる。
「ジンベエザメにとって最悪の場所とタイミングだ」。そう語るのは、南ミシシッピ大学の湾岸研究所(Gulf Coast Research Laboratory)で同種を研究している生物学者エリック・ホフマイヤー氏である。
目撃例から、ジンベエザメは日に7~8時間ほどは水面付近でエサを求めて回遊することがわかっている。この大型魚の死体はまだ発見されていないが、浮かぶ油膜によってえらが詰まって窒息死してしまう危険性や、エサが汚染されてしまう恐れもあるそうだ。
「エサを獲りながら原油を飲み込んでしまったと考えると、命を落とした後に海底に沈んでいる可能性が高い。現時点では、個体数減少の実態は把握できていない」とホフマイヤー氏は言う。
メキシコ湾に浮かぶ油は大半が除去されているが、影響がなくなったわけではない。現在も湾岸の生態系への潜在的な影響を明らかにするための調査が進められている。
ジンベエザメは、えらと口から大量の海水を吸い込んでろ過しプランクトンや小魚を食べる。その海水の量は1時間に600キロリットルを超える。巨大な口を開けて海水ごとプランクトンを吸い込み、えらから水を排出してろ過した後、口中に残ったものがすべてエサになる。
「その過程で汚染物質を吸い込んでいることは間違いない。細胞が汚染され健康状態に悪影響が出る恐れがあるが、確かなことはわからない」と、フロリダ州サラソータにあるモート海洋研究所でサメ研究センター(Center for Shark Research)の責任者を務める生物学者、ボブ・ヒューター氏は述べている。
実害を正確に把握するため、多くの科学者たちが「多環式芳香族炭化水素(PAH)」などの油汚染物質がジンベエザメの細胞や血液に含まれていないか調査を進めている。「だが、流出原油が生態にどのような影響を与えたのかがわかるまでには、数年かかることは覚悟しなければならない」とヒューター氏は言う。
一方でジンベエザメに発信器を取り付け、向こう数年間の動きを探ろうという動きもある。
しかし既に生息地を変えたという報告もあり、フロリダ州湾岸付近での目撃情報からは、他の大型魚とともにクリーンな海域に移動している可能性も考えられるという。
前出のモート海洋研究所の科学者たちは流出事故発生から数カ月間、ジンベエザメを含む大型魚を対象に沿岸付近の調査を続けている。通常、これらの魚種はメキシコ湾東部の大陸棚付近から遠く離れた沖合で目撃されることが多い。
「しかしこの夏は、フロリダ西部の大陸棚付近での目撃例がきわめて多い。ジンベエザメも過去に例がないほどだった」とヒューター氏は語っている。確かなことはわからないが、流出原油から逃れるために東へ移動した可能性がある。
また、生息地を変えるジンベエザメの動きを研究してみると、事故の影響が予想以上に広範囲に及ぶ危険性があることもわかってきたという。
「カリブ海から中央アメリカ、メキシコ湾にまたがって生息するジンベエザメの個体群は、外見的な特徴こそ異なるが互いに密接な関係にある」と、野生生物保護協会(WCS)のオーシャン・ジャイアント・プログラム(Ocean Giants Program)に携わるサメ研究の第一人者、レイチェル・グラハム氏は言う。
13年間にわたってジンベエザメの生態の追跡調査を行っている同氏によると、ベリーズで撮影した1匹のジンベエザメが、その後フロリダのタンパ近海で確認されたことがあるという。それとは別に、メキシコで音波発信器が取り付けられた個体がメキシコ湾北部のブライト・バンク(Bright Bank)の海底にある受信機によって検知されたこともあるそうだ。
「流出事故のあった湾北部の海域に生息する個体群が、移動先に影響を及ぼす可能性がある」というのが同氏の見解だ。
「ジンベエザメは全体で1つの大きな個体群を構成している。いまのところ調査は数百~数千頭単位の個体を対象としているにすぎない。本当の影響を把握するには、もっと大規模な調査が必要となる。体が大きいこのサメはエサの量も膨大だ。魚卵などを嗜好するが、摂取時期が限られており分布海域も狭い。いろいろ考え合わせると、複数の海域のジンベエザメ全体を維持するエサが、確保できなくなる可能性もある」。
「しかし悪い知らせばかりではない」と前出のホフマイヤー氏は言う。「複数の目撃例があるということは、メキシコ湾北部のジンベエザメの数は思ったより多いのかもしれない。流出事故の影響は未だ計り知れないが、この点は前向きにとらえていいと思う」。
Brian Handwerk
for National Geographic News
September 27, 2010
Photograph by Colin Parker, My Shot
- 要するにまだ影響はわかっていないということだが、今回のBPの原油流出事故で、いったいどれだけの生物が犠牲になったんだろう。到底計り知れないというのはまさにこういうことだよな。
A rare albino turtle - Pictures of the day: 23 Sepember 2010 - Telegraph
A rare albino turtle swims in a tank at the Sea Turtle Reserve Centre in Kosgoda, Sri Lanka. The centre collects turtle eggs from the beaches for hatching before poachers remove them as they are considered a delicacy. Once hatched the small turtles are let free in the sea
Picture: EPA
via i.telegraph.co.uk
Twitter / fujita yuji : “へぇウミガメにもアルビノってあるんだ http://bit.ly/cMgR9V
http://twitter.com/fjt/status/25381447201
- Twitterで見て驚いちゃった。このセンターでは、密猟者から守るためにウミガメの卵を回収して、人工孵化させてから海に還してるわけだ。でもこの子は野生では生き延びられなかっただろうから、きっとこのセンターで育てたんだろなあ。それとも海鳥や悪い人間の目を逃れて生き抜いて来たんだろうか。どっちにしても珍しいわ。